有志山行 2022年1月8日~10日
《コース》
《参加者》
会員4名
年末年始のコロナ第6波の感染者状況ともにらめっこしつつ、コロナ対策を徹底して冬の上高地トレッキング&西穂丸山に4人で行ってきました。
【1/8】
早朝の京都でメンバーと合流。名神に乗ると運悪く事故渋滞に巻き込まれるが、暫く進むと渋滞も解消し先日の豪雪の影響も無く順調に進む。途中高山ラーメンで早めの昼食をとり平湯大滝を見学に。銀世界の中の落差64mの滝もほぼ凍っていました。ここからは安房トンネルを抜け、最後の九十九折れの坂道を登れば温泉に到着です。
もともとアイゼンとワカンしか持っていなかったので、今回はスノーシューがレンタル出来る上高地スノーシューガイドツアーに申込み、午後からはツアーのスノーシューレクチャーに参加。レクチャーは旧R158(平湯街道)沿いの森で行われるのですが、旧街道は冬季閉鎖となり除雪も行われない為、新雪フカフカの森です。スノーシューは快適そのもの!でワカンとは比べ物になりません。新雪の平地~緩斜面での威力は絶大です。とは言っても万能ではなく急斜面やアイスバーンは不得手で、基本は上高地の様な平地トレッキング(特に新雪)が得手になります。初日は雲一つ無い快晴で、途中明神から前穂、奥穂へと続く吊り尾根の稜線が綺麗に見渡せました。今日は中の湯温泉に浸かり明日も晴れる事を祈って就寝。。
【1/9】上高地トレッキング当日、曇りがちのなかガイドツアーの一行10数名と共に上高地に入ります。ツアーガイドの方は上高地への造詣も深く色々なお話を聞かせて頂きました。コロナ対策や検温のチェックシートを提出し、AM6:30宿からバスで釜トンネル入口まで移動。冬季閉鎖中(許可車以外通行不可)の真っ暗闇の釜トンネルをヘッドライトを点けて歩きます。ちなみに昔の旧釜トンネルは手掘りでしたね。思い出の旧釜トンネルも歩いてみたいなぁ…などと思いつつ、二つ目の上高地トンネルも抜け上高地入り。
トンネル出口でスノーシューを履きトレッキングスタート。森閑とした冷たい空気の中、吐く息が全く白くなりません。ガイドの方曰く「息が白くなるのは空気中の微粒子に水蒸気がくっついて白く見える為で、白くならないのは上高地の空気がいかに澄み切っているかという事の証」だそうです。大正池ホテル手前の冬季トイレで小休止。所用は冬季トイレ以外は禁止及びコロナ対策という事で各自携帯トイレも持参。ここから大正池の岸辺沿いを歩きます。池は少し凍っている程度ですが、昔は全面が凍って池の中に立つ立ち枯れの木の傍で写真が取れたそうです。(以前に比べて立ち枯れの木自体がかなり減った気がしますが・・・) 岸辺を進むとトレースの無い広い雪原「中千丈沢の押出」に出ます。スノーシューの本領発揮フィールドで、フカフカの雪の上を深く沈むこと無く楽々歩けてスノーシューの楽しさが満喫できます!雪原を後に田代池に向かうと、池の周りはアマチュアカメラマン達が絶好の瞬間を狙っています。曇天ですが太陽の光が差し込むのを待ってカメラマンも寒い中じっと我慢のご様子。(気温はマイナス1~2度。昨年末はマイナス10度で今日はかなり暖かいとの事。)
田代池からは自然研究路を進む。森の中には動物の足跡がいたる所に。ガイドさんは足跡からウサギ・テン・オコジョ・リス・サル等々ほぼ特定出来るようです。急に方向転換している足跡はウサギが天敵から身を守る為のカモフラージュだとか…知恵者ですね。田代橋を過ぎバスターミナルを過ぎると折返し地点の河童橋に到着。上高地のランドマークで記念写真を撮り少し戻ってバスターミナルで休憩をとる事に。静まり返ったターミナルからは夏の喧噪は想像がつきません。建物の陰で風を避けテルモスのお湯でカップラーメンを作り温まる。真冬の上高地は昼でもマイナスになり、水やおにぎりまでも凍ってしまいます。休憩後はバス道を戻るのですが往路とはまた違った景色が楽しめます。ターミナルの駐車場に出ると晴れ間が覗き、明神から前穂の頂きが顔を見せてくれました。帰路更に進むと、道の真ん中でお猿さん2頭が毛繕い。先日ニュースで上高地のニホンザルが魚を捕って食べている写真を公開していましたが、まさに目の前で浅い川に入り物色しています。上高地のニホンザルは夏には3千メートルの高山にまで登り、日本で最も寒冷な気候に暮らしているとの事です。暫く進み大正池ホテルまで戻ってきました。
トンネルまではあと少し。緩い坂道の先に焼岳が顔を出し始め、振り返ると明神から前穂も見えます。名残惜しいですが、これでお別れです。ガイドさん曰く「昨日の上高地は年に一度あるかないか?の快晴の一日でしたが、今日も皆さんかなり恵まれている」との事。穂高連峰が時々顔を出してくれ冬の上高地を満喫できました。下山後、新穂高中尾温泉に移動。部屋の窓からは槍の穂先が見えました。天気も好くなりつつあり明日の西穂に期待が膨らみます!。
【1/10】今日はロープウェイを利用して西穂丸山ピストンの予定です。新穂高温泉駅の始発9時に合わせて宿を出発。朝から快晴でゴンドラが高度を上げるにつれ雪の穂高連峰が360゜見渡せます。錫杖岳、笠ヶ岳から弓折岳へ続く稜線、西鎌尾根から槍ヶ岳。眼前に西穂高岳がせまってくると間もなく西穂高口駅(2156m)に到着。高度が上がり空の青さが更に増します。
ここからアイゼンを付け西穂山荘に向かいます。トレースもあり締まった雪にアイゼンが利き快適に登っていけます。直登の冬道を進んでいくと1時間半程で西穂山荘に到着。名物の大きな雪だるまが鎮座しお出迎え。西穂山荘(2367m)は通年営業で厳冬期は有り難い小屋です。ここから上は森林限界。天気は快晴でまぶしいほど!ピッケルをシュリンゲで結び、休憩もそこそこに西穂丸山(2452m)を目指して登る事20分程で到着。見渡す限り絶景が広がります。南には焼岳、その向こうに乗鞍岳、笠ヶ岳から双六岳に続く稜線の峰々。今日は空気も澄み遠く富士山も確認できました。
今日は丸山で折り返す予定でしたが、あまりの好天気にここで引き返すのは勿体無い!時間的に独標までは無理にしても、もう少し登ろうと後30分頑張って登ったのですがタイムアップ。又、ここから先は岩と雪のミックスルートです。稜線の先のどでかい岩の塊「独標」に立つ人影が見て取れます。西穂からピラミッドピーク、独標をバックに記念写真をパチリ。眼下には昨日歩いた上高地が手に取るように見え、その左手には明神から前穂。残念ながら此処からでは奥穂は拝めませんでした。風も強くなってきたので早々に引き返し西穂山荘まで下山。予定時間もオーバー気味なのでカップラーメンを流し込み西穂高口駅へ急ぐ。14:45発のロープウェイに飛び乗り、平湯温泉で汗を流し帰阪の途につきました。
【3日間、天候に恵まれた山行でした】
冬の上高地はスノーシューフィールドとして人気が高いのですが、ガイドの方からも自然環境保護の観点から
○冬期トイレ以外での用便は行わない
○指定場所(小梨平)以外でのキャンプは行わない
○ゴミや食料は放置せず持ち帰る
等、基本的なルールの遵守を促されました。西穂は丸山までであれば高度な技術が要求される所も無く、冬山経験と装備を備えていればロープウェイを利用して4~5時間で往復できます。とは言っても冬山には変わりありません。 天気予報をよく確認して天候次第では無理せず中止する決断も必要ですので、ご参考まで。
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