Photo & & レポート 《2023年5月3日〜6日「大菩薩嶺・雲取山」》 2023.5.3〜6

有志山行  〜大菩薩嶺・雲取山 〜

《行 程》◇5/4大菩薩嶺> 上日川峠=福ちゃん荘=雷岩=8:35大菩薩嶺(2057m)=雷岩=親不知ノ頭=大菩薩峠=上日川峠 [行動4時間35分]
◇5/5雲取山> 小袖乗越=堂所=七ツ石小屋=七ツ石山(1757m)=ブナ坂=ヨモギノ頭=小雲取山=雲取山山頂(2017m)=ブナ坂 =猫の又=七ツ石小屋下分岐=堂所=小袖乗越 [行動9時間45分]

《参加者》
5名

《レポート》

GWの特別山行として奥秩父の百名山、大菩薩嶺と雲取山の2座に5名で行ってきました。初日は移動のみで早朝に車で出発するも高速道路が事故渋滞!GWの人出と重なり宿泊地に到着したのは午後4時を回る…やれやれのスタートですが取りあえず明日に備えて早目に就寝。

 【5/4】  AM6時半、ロッジの建つ上日川峠からは、早朝の雲海の向こうに南アルプスの峰々がクッキリと見え天気も好さそうです。6:45に上日川峠を出発、明るい林の中の緩い山道を半時程進むと福ちゃん荘に着く。ここからは唐松尾根を登り雷岩を目指します。気持ちの良い澄んだ空気の中を登っていくと、唐松林の背後に富士山の頂きが見え始め、高度を上げるにつれ富士山の大きな山体が裾野まで綺麗に見えます。福ちゃん荘から丁度1時間で雷岩に到着。雷岩から大菩薩嶺山頂(2057m)を往復します。あいにく山頂は展望がきかず山頂標識と記念撮影をして雷岩に戻り休憩。

 雷岩はその名の通り大きな露岩で展望もよく、皆さん富士山や南アルプスをバックに思い思いのポーズで記念撮影をして賑わっています。ここからは大菩薩峠を目指してコースを南に辿り、富士山を眺めながらの稜線を歩きます。以前、逆コースでこの道を辿ったことがありますが、今回の様に南向きに辿る方が下り基調でもあり富士山を見ながら稜線漫歩を満喫できます。途中、賽の河原、親不知ノ頭を経て大菩薩峠(1900m)に到着。ここは昔の青梅街道の最大の難所で明治の初め頃まで使われていたそうですが、今は大勢のハイカーで賑わっています。また同名の小説「大菩薩峠」の舞台にもなった峠です。とにかく長い小説(全41巻)ですが興味のある方は読破にチャレンジをしてみて下さい。

 大菩薩峠からは縦走路を外れて西に下ります。福ちゃん荘を経て上日川峠まで1時間程の緩やかな道で、家族連れはこちらから来られ大菩薩峠から展望の良い親不知ノ頭ぐらいを往復される方が多いようです。今日は天気にも恵まれ富士山を堪能する事ができ、メンバーも絶賛の稜線漫歩でした。明日は長丁場の雲取山。登山口近くのキャンプ場に移動し明日に備えます。

 【5/5】  今日は某アニメの主人公の出身地でもある東京都最高峰の雲取山です。当初は山頂近くの雲取山荘一泊で2日間の計画でしたが、週間天気予報では6日は風雨が強まる為、大阪出発前に日帰りに計画変更。標準コースタイムでは往復8時間超え(休憩入れず)と長丁場になる為、早朝4時にキャンプ場を車で出発し小袖乗越の村営駐車場に向かう。4時半頃に40台ほど停められる駐車場に着くがほぼ満車で何とか空きスペースに駐車。GWは5〜6時で一杯になるようです。雲取山へは幾つかルートがありますが今回は一番メジャーな鴨沢集落から北上するルートを往復します。車で朝食を済ませAM5時に駐車場を出発。林道先の登山口からしばらくは、尾根右側のトラバース道を進み樹林帯の中を徐々に高度を上げていきます。

 このルートは平安時代の武将「平将門」が逃げ延びた「将門迷走ルート」として悲劇を伝える伝承看板が要所々に設置してあります。看板には逃げる将門一行のエピソードが書かれており、当時に思いを馳せながらルートを辿れます。登山口から1時間40分程で堂所(どうどこ)という広場に到着。伝承看板によると将門が鎧兜や胴までも脱ぎ、大木の根元に胴を置いて休んだ事から胴(堂)所となったそうです。又この先の伝承看板「紫久保」では正室の紫の前が逃亡に疲れここで自害。足手まといにならぬ為の決断だろうと悲話を伝えています。この辺りから道は尾根筋に沿って傾斜も少し増します。途中の「富士見ターン」という切り返しで富士山が頭を覗かせ始めました。マムシ岩という露岩を過ぎ暫く行くと七ツ石小屋に到着。行動食を補給しトイレを済ませ一つ目のピーク七ツ石山に向かいます。途中、奥多摩から延びる広い石尾根縦走路と合流し、暫く行くと七ツ石神社という祠があります。伝承看板によると「将門一行が神社に祈願をして影武者七人衆の藁人形を作り並べておいたところ、敵がそれを本物と思い矢で射貫いた瞬間七つの岩に化身した」という逸話が山名の由来のようです。藁人形が化身した大きな岩を右に見上げながら一登りすると七ツ石山(1757m)の広い頂上に出ます。頂上からは例にもれず富士山が綺麗に見え、雲取山への尾根筋も一望出来ます。

 七ツ石山からはブナ坂の分岐に一旦下り木陰で休憩。さて将門一行ですが、ブナ坂から天祖山に向かい更なる悲劇に遭遇すると伝承看板には書かれていましたが…結末はブナ坂にて。ここからは防火帯として尾根西側の樹木が刈り取られた、見晴らしの良いなだらかな石尾根の稜線です。途中面白いカラマツの木を発見!木の幹が踊るかのようにクネクネとS字カーブを描いており、ダンシングツリーと呼ばれているようです。次のピーク、ヨモギノ頭を過ぎ、小雲取山を越え、最後の上りを登り切ると雲取山避難小屋に到着。その少し先が雲取山(2017m)の頂上です。頂上からは昨日登った大菩薩嶺、富士山、南アルプスや奥秩父の山々が一望できます。昨日から快晴続きで展望に恵まれました。頂上の山頂標識は新しい立派なものに建替えられており、皆で富士山も入れて記念撮影。山頂で昼食後は日帰りの為、早々に下山開始。往路を戻りますがピークを避けられる巻き道を使い時間短縮。午後3時前には駐車場に下山出来ました。帰りのブナ坂までの石尾根では、富士山の雄姿を眺めながらの稜線漫歩を、昨日と同じく堪能する事が出来ました。今回歩いた鴨沢からの道は各ピークの手前に少し急坂がありますが、その他はよく踏まれた歩き易い道でした。

 参考サブコース 
・大菩薩嶺…上日川峠より手前の裂石(さけいし)温泉の大菩薩峠登山口から丸川峠を経由する周回コースもあり。山中の小屋(丸川荘や介山荘)で一泊必要。
・雲取山 …小袖乗越より手前の鴨沢集落よりスタートする場合は往復プラス50分程必要。又、鴨沢から上り雲取山登頂後、七ツ石山から石尾根縦走路を奥多摩駅に下るコースもお勧め。古い記憶ですが防火帯が設けられている所も多く明るく開けた気持ちの良い縦走路でした。ただ石尾根は長丁場なので日帰りは厳しく山中で一泊必要です。




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